

小田香監督『Underground アンダーグラウンド』(2024)に出演し、鮮烈な印象を残した映像作家・ダンサーの吉開菜央。『ほったまるびより』(2015)、『Grand Bouquet』(2019/カンヌ国際映画祭監督週間出品)、『Shari』(2022/ロッテルダム国際映画祭短・中編部門出品)と、映像と身体表現の可能性を探求しながら、独自の映画世界を磨き上げてきた。
最新作『まさゆめ』は、監督自身の体験から生まれたドキュメンタリー映画である。心身の不調、母との別れ、禅寺での修行──人生の大きな転機をきっかけに、食べること、眠ること、呼吸することといった身体の営みを見つめ直しながら、生きることを問い直していく。身体表現、写真、アニメーション、8ミリフィルム、ホームビデオと、あらゆる映像的手法が積み重ねられ、セルフ・ドキュメンタリーの枠を超えたユニバーサルな視野を持った長編映画として完成した。
2026年・第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門で初上映を迎えた本作は、その後もトルコ、スペイン、韓国、アメリカ、台湾など各国の映画祭で上映され、言語の壁を越えた共感を集め、北米での劇場公開も決定!
身体を通して世界と対話を重ねる本作は、映画という船に乗り、観客の記憶と五感を呼び覚ましながら、それぞれの旅へとひらいていく。




34歳になった冬、吉開は心身のバランスを崩し、そして続くように、故郷に住む母を亡くした。
その後、ふとしたきっかけで禅寺に赴き、修行をしようと思い立つ。「意識が作り出す感情はすべて夢である」と教わり、食べることや呼吸といった身体の根源に立ち返りながら、生きることを捉え直す。
誰しもに訪れる親の死と自身の病によって、人生の大きな通過点に突然直面したことをきっかけに、日常に起こる小さな喜びや驚きを拾い集めながら、映画という「夢」をつくり、自分の身に起きたことをあらためて受け入れていく。
1987年、山口県生まれ。世界を五感で理解しようとするときに起こる心と身体の変化を踊りと捉え、映画を制作してきた。『ほったまるびより』(2015/第19回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門新人賞)、『Grand Bouquet』(2019/カンヌ国際映画祭監督週間出品)、『Shari』(2022/ロッテルダム国際映画祭短・中編部門出品)等、国内外で高い評価を得ている。 本作は、2026年の第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にて初上映を迎え、同映画祭の部門を超えて選出されるドキュメンタリーアワードの16作品にノミネートされた。

私は、過去の記録を編集し、物語として再構築することで、映画はある種の夢であるとはっきり自覚しました。
けれども同時に、その夢の中で、自分の身に起きた出来事を、ただそのまま見つめることができるようになりました。
それは、映画という夢をつくりながら、夢から覚めていくような体験でした。
生きることと映画をつくることが、その年のお天道様の機嫌も相まって、
思いもよらない形で、まるで「まさゆめ」のように結びついたのだと思います。
この映画の体験が、私を超えた誰かの養生になり、それが巡り巡って、少しでも地球の養生につながることを願っています。
人の苦しみや幸せはその人にしか分からない。それは自分もそう。しかし自分だからといって分かっているわけではない。それは他人もそう。人が自己を、他者を分かろうとする永遠の行いについて映画は、都合の良い連想による発見や安全圏の中で行われる冒険をどのように抱き込み、批評し寄り添えるのだろうかと思った。
── 柴田聡子|ミュージシャン
「生きる」ということが腑に落ちていくようでした。
走馬灯のように景色が踊り続け、身体からは命の音が鳴り響く。
複雑は静かで、静かは宇宙。
初めて触れる表現に、全身の感覚がひらかれ、生きることの意味を捉え直しました。
── クリス智子|ラジオパーソナリティ
「生きる」ということが腑に落ちていくようでした。
走馬灯のように景色が踊り続け、身体からは命の音が鳴り響く。
複雑は静かで、静かは宇宙。
初めて触れる表現に、全身の感覚がひらかれ、
生きることの意味を捉え直しました。
── クリス智子|ラジオパーソナリティ
人も、猫も、電車も、畳も、空気も、すべてはただそこにあるだけ…。映画は、誕生した時すでにそのことを知っていたはずなのに、いつの間にか忘れてしまったのかもしれない。消えそうな煙を掴もうとする赤ん坊の仕草のように、偶然にカメラに写ってしまうものはある。だが、映画に偶然はない。すべては収まるべき場所に収まっている。
だから映画は夢ではない。“まさゆめ”なのである。
── 諏訪敦彦|映画監督
産まれた時から人はたべてたべてたべてたべて生きている。
たべた“食”は口から入り
身体の隅々まで行き渡り身体を動かせ感情の元をうみだす。
“食”は淡々と日々の生きた証となって積み重なりその人を形成していく。
映像が夢にでてきてた。自分の内側の宇宙。
── 野村友里|eatrip主宰/料理人
産まれた時から人はたべてたべてたべてたべて生きている。
たべた“食”は口から入り
身体の隅々まで行き渡り身体を動かせ感情の元をうみだす。
“食”は淡々と日々の生きた証となって積み重なり
その人を形成していく。
映像が夢にでてきてた。自分の内側の宇宙。
── 野村友里|eatrip主宰/料理人
誰に話しても理解されないかもしれない。人混みと膨大な情報のなかで、生きているのか夢を見ているのか、わからなくなることがある。大切なものを失っても、涙さえ出ない。そんな感覚を思い出した。それでも息をし、眠り、食べ、朝を迎える。すべての意味を手放したとき、ただ生きていることに満たされるのだ。
─ フーウェイ|柔道家/クィア評論/人類学
死が「目覚め」なのだとしたら、今生きている時間はきっと「長い夢」。
そして、夢を味わい、夢を泳ぎ切るための舟が、私たちの「身体」なのだと思う。
本作を観ながら、私は確かに身体の声を聞いた。
身体へと繋がる食事、呼吸、記憶。
己を救う力は、他ならぬ「私」自身から生まれるのだろう。
── 文月悠光|詩人
死が「目覚め」なのだとしたら、
今生きている時間はきっと「長い夢」。
そして、夢を味わい、夢を泳ぎ切るための舟が、
私たちの「身体」なのだと思う。
本作を観ながら、私は確かに身体の声を聞いた。
身体へと繋がる食事、呼吸、記憶。
己を救う力は、他ならぬ「私」自身から生まれるのだろう。
── 文月悠光|詩人
一度失われた心身のバランスを取り戻そうとする吉開さんの模索=表現の過激さと繊細さに圧倒された。日々のごはんやみそしるを通し、感覚のアンテナをどこまでも鋭敏にしてゆく作者の営みを見つめていると、いつのまにかありえない地平へと連れさられるようだ。
── 三浦哲哉|映画批評家
人は死を理解することはできなくても、その存在に向き合うことはできる。映画という夢を通して、人生に訪れる喪失を、身体の時間のなかで受け入れていく。食べること、眠ること、呼吸をすること。その何気ない生の営みは、失われたものを抱きしめながら、生き続けるための力へと少しずつ変わっていく。静かで誠実な祈りのような映画だった。
── 山城知佳子|映像作家/アーティスト
『まさゆめ』を観終えたら、自分のからだが変わっていた
おおげさに聞こえるかもしれないけれど、本当にそう感じながら過ごしている
吉開さんや、吉開さんが対話した人たちのからだをくぐり抜けて出てきたものたちが、
観る人を介して、この地上に浮かんでいるみたいだ
その一員になれたことが、何かからだを刺激するのだと思う
どこかからどこかへ、魂が落ちてゆくまでの時間に
この映画を観てほしい、と思う人の顔が浮かぶ
『まさゆめ』はそうやって、この先も長く観続けられていくだろう
── 小森はるか|映像作家
『まさゆめ』を観終えたら、
自分のからだが変わっていた
おおげさに聞こえるかもしれないけれど、
本当にそう感じながら過ごしている
吉開さんや、吉開さんが対話した人たちの
からだをくぐり抜けて出てきたものたちが、
観る人を介して、この地上に浮かんでいるみたいだ
その一員になれたことが、
何かからだを刺激するのだと思う
どこかからどこかへ、魂が落ちてゆくまでの時間に
この映画を観てほしい、と思う人の顔が浮かぶ
『まさゆめ』はそうやって、
この先も長く観続けられていくだろう
── 小森はるか|映像作家
この映画が吉開さんによって作られて良かった。
個人はこんなにも普遍で、ひとりにひとつの深海。宇宙。
── 小田香|本作撮影/映画作家
この映画が吉開さんによって作られて良かった。
個人はこんなにも普遍で、
ひとりにひとつの深海。宇宙。
── 小田香|本作撮影/映画作家
吉開菜央は、自らの内なる思考や不安を世界に開くことで、
── Asian Movie Pulse
映画「まさゆめ」
2026年|⽇本|カラー|5.1ch|110分
© WHITE LEOTARDS 映倫区分:G
監督・出演・編集|吉開菜央
出演|北村思綺 髙宮梢 真壁遥 内海正考 ⼤迫健司 佐藤桃⼦ ⼩池陽⾹ 仲本拡史 加藤⼤輝 Osono 岩渕貞太 関裕美 吉開章⼦ 吉開元彦 吉開⽉柊
振付|関かおり
撮影|⼩⽥⾹ 吉開菜央 宮川真⼀ 横江れいな 仲本拡史
照明|加藤⼤輝 美術|加藤⼩雪(TASKO Inc.)
⾳楽|涌井智仁(⼤橋可也&ダンサーズ「END THE WORLD」より) ⾳響|北⽥雅也
カラーグレーディング|⻑崎隼⼈
エグゼクティブ・プロデューサー|越後⾕卓司
プロデューサー|吉開菜央 杉原永純
デザイン|畑ユリエ
企画|愛知芸術⽂化センター 制作|愛知県美術館
協⼒|宝泉寺禅センター
配給|ホワイトレオターズ
配給協⼒・宣伝|ブライトホース・フィルム
映画祭上映履歴
● 第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部⾨/ベルリナーレ・ドキュメンタリー・アワード〈ノミネート〉
● プント・デ・ヴィスタ国際ドキュメンタリー映画祭2026(スペイン)〈審査員スペシャルメンション〉
● 第27回チョンジュ国際映画祭(韓国)
● プリズマティック・グラウンド2026(⽶国・ニューヨーク)
● 第15回台湾国際ドキュメンタリー映画祭アジアン・ヴィジョン・コンペティション部⾨
● 第13回リガ・パサウレス映画祭(ラトビア)
映画「まさゆめ」
2026年|⽇本|カラー|5.1ch|110分
© WHITE LEOTARDS 映倫区分:G
監督・出演・編集|吉開菜央
出演|北村思綺 髙宮梢 真壁遥 内海正考
⼤迫健司 佐藤桃⼦ ⼩池陽⾹ 仲本拡史
加藤⼤輝 Osono 岩渕貞太 関裕美
吉開章⼦ 吉開元彦 吉開⽉柊
振付|関かおり
撮影|⼩⽥⾹ 吉開菜央 宮川真⼀
横江れいな 仲本拡史
照明|加藤⼤輝 美術|加藤⼩雪(TASKO Inc.)
⾳楽|涌井智仁
(⼤橋可也&ダンサーズ「END THE WORLD」より)
⾳響|北⽥雅也
カラーグレーディング|⻑崎隼⼈
エグゼクティブ・プロデューサー|越後⾕卓司
プロデューサー|吉開菜央 杉原永純
デザイン|畑ユリエ
企画|愛知芸術⽂化センター 制作|愛知県美術館
協⼒|宝泉寺禅センター
配給|ホワイトレオターズ
配給協⼒・宣伝|ブライトホース・フィルム
映画祭上映履歴
● 第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部⾨/ベルリナーレ・ドキュメンタリー・アワード〈ノミネート〉
● プント・デ・ヴィスタ国際ドキュメンタリー映画祭2026(スペイン)〈審査員スペシャルメンション〉
● 第27回チョンジュ国際映画祭(韓国)
● プリズマティック・グラウンド2026(⽶国・ニューヨーク)
● 第15回台湾国際ドキュメンタリー映画祭アジアン・ヴィジョン・コンペティション部⾨
● 第13回リガ・パサウレス映画祭(ラトビア)
| 地域 | 劇場名 | 公開日 |
| 関東 | ||
| 渋谷区 | Bunkamura ル・シネマ 渋⾕宮下 | 2026/8/28(⾦)- |
| 横浜市 | 横浜シネマリン | 2026/12/19(土)- |
| さいたま市 | OttO | 近日公開 |
| 高崎市 | シネマテークたかさき | 2026/11/6(⾦)- |
| 北海道 | ||
| 札幌市 | シアターキノ | 2026/10/23(⾦) |
| 甲信越静 | ||
| 上田市 | 上田映劇 | 2026/9/25(⾦)- |
| 関西 | ||
| 大阪市 | シネ・ヌーヴォ | 2026/10/31(土) |
| 京都市 | 出町座 | 2026/10/30(金) |
| 神戸市 | 元町映画館 | 2026/10/31(土) |